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夢のみずうみ村物語 その20 施設ハード面の特徴 施設内空間の分化という発想

夢のみずうみ村 施設ハード面の特徴 施設内空間の分化という発想 施設の大きさは千差万別です。夢のみずうみ村山口デイサービスセンター敷地面積は    約16,600㎡、延べ床面積は約2,980㎡です。 デイサービスのみの面積としては全国的には最大級かなあと思っています。大きければいいというものではありません。たとえ狭くても、利用空間を分化して考える必要があります。 施設のエリアとしては、必須エリアというべきものがあります。 【玄関・入りエリア口】 【トイレ・浴場エリア】【いつもの座るエリア(定位置)】 【食事エリア】【集団活動エリア】【手工芸エリア】【個別リハビリエリア】【屋外】 こうした各エリアを何回移動するようにプログラムを組むかということを意識する必要があります。いつもの定位置と呼ぶべき場所(位置)がどなたにもあるはずです。そこは、デイサービスに来られた場合、しばしば腰掛けたり、寝たりしされる場所です。その定位置から、各エリアに移動し、また戻ってくる移動の往復の回数を意識するとすれば、一日に何回往復することになりましょうか。 図を見てください。 通常の玄関入り口エリア・トイレ浴場エリアを除くと、集団活動エリアと、いつもの定位置あたりを往復する程度で他にはほとんど動かないデイサービスもあります。 そういうデイサービスは、いつもの場所で食事も、手工芸なども皆一緒に行うという状況です。そうした場合の施設内移動はほとんど限られた少ない移動本数(回数)作業活動場所や手工芸の場所があちこちに散在すればするほど活動になります。 仮に、図にあるように、作業活動場所が2つ、手工芸の場所が3つ増えたとしますと、それぞれの場所間の移動は多岐にわたり、移動本数も増えてきます。難しく考えることはありません。施設内のあちらこちらでプログラムを行うことにすればいいのです。そういう限られた空間、壁面、玄関前など 2・3が机を囲んで活動できるような場所を見つけるのです。廊下の片隅でもいいのです。どこでも利用してみましょう。こうした空間の分化による活用は 利用者の方の活動量をアップするのに役立ちます。 玄関から施設に入る いつもの場所に落ち着く 集団の場所に行き、朝の集い・プログラムを行う 個別リハビリの場所に行く 手工芸1の場所で切り絵をする いつもの場所に戻り昼食まで待つ。昼食 トイレに行ってくる 手工芸2の場所に行く いつもの場所に戻っておやつ 帰り支度 玄関から帰る こうした移動の流れを矢印でおってみましょう。場所の分化が行われず、同じ場所で様々な活動をしても、移動する機会が少ない分活動量は少なくなります。要は、移動することに目的をつくるということになります。

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夢のみずうみ村建設運動開始時のチラシ発見

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夢のみずうみ村開設時の新聞あった!

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夢のみずうみ村物語 その19 プログラムをどうして生み出したか

プログラムをどうして生み出したか プログラムを開設する場合の基本方針を以下にお示ししましょう。 まず考えたことは、先程話しましたデイサービスの特徴を活かすことです。すなわち、その日夢のみずうみ村で学習したことや体験されたことをご自宅で実行して頂こうという発想です。 利用者の中には様々な職業の方があります。 大工、水道配管業、ガラス屋、呉服や、食堂経営、会社員、主婦、その他いろいろな能力、経験をお持ちの方の集まりがデイサービスであります。そういう方々の能力を活かそうという発想が起きたのです。 趣味活動や特技、面白い体験をするといった発想で考えたものが第3の項目です。 第4に考えたことは、ADLの「食べる」という営みです。 食べるという行為は誰にも共通する関心事だということです。無関心だという方であっても、食べる行為は欠かされません。それをメニューにするという視点がリハビリテーションの原点です。食べる行為の中にリハビリテーションの様々な要素が含まれているということです。 女性と男性でメニュー選択に相違があることにも関心を持ちました。 一般的に女性は積極的にプログラム参加されますが、男性は消極的な印象がございます。若い自分に会社人間であった方ほど老後の楽しみ方が苦手なような感じです。仕事一筋という男性は多いですから、自ずと男性の方のメニューには頭を痛めます。仕事がらみで発明発見教室というメニューをつくりましたが、今のところ一回開催したのみであります。 そこで、新しい施設増設の機会に、夢のみずうみ村ではプログラム委員会をつくって新メニューを検討しました。特に男性メニューを意識して考えました プログラムを展開する際に気付いたことでありますが、手間暇をかけるという発想です。 手間暇をかけた行為はそれ自体がリハビリになりますし、その行為が達成できたときの充実感(達成感・成就感)が強くなります。 ここでも食べることがメニューとしてあがります。なぜでしょう。そうです。食べることがリハビリの基本だからです。

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ブログ雑感

会った方が、「ブログ見ていますよ」とおっしゃるのが、一人二人ではないことに、いつも驚かされる。 20年前、いや、その2,3年前から、夢のみずうみ村建設運動を始めており、そのころ、パソコンはなく、ワープロ時代で、四角いフロッピーにデータを保存していた。 それが、パソコン時代になり、フロッピーが使えなくなり、CDにしてくれるサービスを知って、どこかで、CD化してもらったのだと思うのだが。 この度、偶然、古い昔の記録を掘り起こすことができた。それを、可能な限りここに掲載させていただこうと思いついた。掲載したのはいいが、そこに収録した写真が、このブログ上には。消えてしまっていると指摘された。 私は気づかなかったが、防府デイのスタッフ、徳本君がそれに気づき、修正をしてくれて、順次、このブログ欄に再掲してくれていたのである。感謝感謝。 わたしは、すでに、終活に入っています。だから、感じたこと、考えてきたこと、それらを、生きている証としてここに、書き残したい衝動に駆られることがあります。表に出すというこのブログ形式があるので(これこそありがたいことです)そうさせていただきます。

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ミュージカル「夢のみずうみ村」

夢のみずうみ村の関係者、職員はもとよりですが、ミュージカル「夢のみずうみ村」をご存じの方は、ずいぶんと少なくなりました。というより、ご存じない方が大半でしょう。開設初期の職員7人衆すらも知らないと思います。NPO法人「夢の湖舎」を設立しようとする前の時期の試みでした。当時のワープロフロッピー(10cm四方の薄い保存シート:知らない方も多いと思うので注釈入れました)をCD化し残しておいたものを偶然発見したのです。懐かしくなり、ここに掲載いたします。  私が、山口リハビリテーション病院で作業療法士として仕事を始めたころ、昭和62年(1987年)のころの話です。『たまり場を作ろう』という、私が訓練を担当させていただいた脳性麻痺の3人の女性の茶飲み話から、夢のみずうみ村を作ろうと衝動的に思いついたのでした。脳性麻痺の子どもたちとかかわっていた親の会「ラ・ベルヴィ」との出会い。施設づくりが動き出したそのしょっぱなの衝動からでした。夢のみずうみ村建設運動を広げるために、メンバー総動員でミュージカルをやろうと私が言い出し動いたのでした。 その台本原稿が見つかったのです。私が書いたものですが、一度も上演されませんでした。練習のみを少し行った程度で埋もってしまった原稿でした。それが、今、陽の目を見たのです。ただ、ただ、懐かしいのです。脚本 演出は、私です。自称物書き。中高校時代から、脚本を書き、演出し、4本の芝居実績をを持っている身ではありました。                      メンバーの面々皆さんが、よくぞ、私の思いについてくださったなあと思います。ミュージカルですから、作曲をお願いした山口リハビリ病院の長井さんにも、曲作りと練習にお手伝いいただきました。懐かしいですねえ。  役者では、お亡くなりになられて相当過ぎましたが、ある一人の山口リハビリ病院時代の患者さんで、脊髄損傷であったE・Nさんのことを思い出します。全介助で、最初リハビリを開始した方です。チルトテーブル(電動起立台)にて、15分間(最初15度から徐々に角度を上げ、最終的に90度立位保持するリハビリです)を、チアノーゼが起きるか起きないかとヒヤヒヤしながら、ご本人と共同し相談しからだと呼吸状態を確かめながらリハビリをしてきた方でした。彼は頑張り、電動車いすに全介助で移譲し、自由にあちこち動き回るまで回復されました。退院され、自宅で頑張られました。シャイでしたが、ミュージカルはやりたいとおっしゃり、頑張りました。彼の忘れられない言葉が、20数年以上もたっても思い出すのです。  「セリフは喋れるけど、歌おうとすると息が止まり失神する!」と。天国で笑っておられると思います。  他の障がい者の方々、ボランティアの方々など、よく、こんな私の、夢の湖村を作りたいという思い付きのミュージカル上演活動のチャレンジについてきていただいたなあと思います。  この脚本が出てきて、こうして、ブログに掲載させていただくことを我が人生の喜びの一つとして感じ入っています。読み流し、見流していただければ幸甚です。 ミュージカル「夢のみずうみ村」 夢のみずうみ村というものを自分たちのものにするということと、多くの方に啓蒙するという意味を込めてミュージカルをやろうと突然藤原が言い放ったのです。それが未完成の台本でありながら、現実に提示され、セリフ入りの歌、まさにミュージカルを練習し始めたのですから今から思えば無謀でした。現在の夢のみずうみの会員の中にも、このミュージカルの練習にかり出された方があります。それがきっかけになったか否かは分かりませんが、メンバー間に少しずつ亀裂が生じ、結果、夢のみずうみ活動は分裂ということになったのです。思いやりのあるいい仲間でありながら以外と組織的に運動していく難しさを体感した我が村創世記の歴史です。 ここで、一気に、そのときのミュージカル「夢のみずうみ村」の台本を掲載します。いつの日か上演できる日があるのでしょうか ミュージカル「夢のみずうみ村」台本 会場入り口に 看板 と 「お知らせ」が掲示してある。 ┌──────────────────────┐ │      お 知 ら せ                   │ │ かたち星共和国へ入国される皆様へ          │ │                                             │ │  入国される方はパスポートをお見せ下さい。 │ │  パスポートのうらに                       │ │  ○△□のうち、                           │ │  あなたが一番すきな かたち を           │ │  一つだけかいて下さい。                   │ │  かたち が 描いてない方は               │ │  入国はできません。                       │ │                                             │ │    かたち星共和国入国管理事務所         │ └──────────────────────┘ 会場入り口ドアにかたち王国の職員が、入場者の許可証の確認をする。 (受付係りも入り口業務は全員入国係員の服装で観客を迎える。) … 続きを読む

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夢のみずうみ村物語 その18 あんたはスターだ!

あんたは スターだ 毎朝、プログラムボードの前はお祭り騒ぎです。ご自分のプログラムカードを張ろうという人たちが交錯します。リハビリテーションという発想でいえばこれが実にすばらしい場面なのです。 動線が交錯する環境をリハビリ場面でつくろうということ自体、病院や施設ではちょっとした設定を意識的に行わないとできません。ところが夢のみずうみ村では、毎日朝午前九時半から十時過ぎまで、それはそれは大混雑です。そこを取り仕切るのが何あろうスターなのです。スターには、いろいろあるでしょうが、夢のみずうみ村にはオバスターが活躍しています。「オバスター」と呼んで分かるのは夢のみずうみ村の職員だけです。おばさんのスター役をこう呼ぶのです。 スター役というのは、プログラム(利用者の方ご本人にとっては一日をどう流すかを決めて頂くこと)を、いかにの流すか、それを援助する役です。すなわち流す役、流れる。流れるは、流れ星、スター、スター役と勝手に連想し名付けました。 すると施設長が「それじゃあ、私はさしずめ、オバスターね」と呟いたのです。自分をおばさんと自覚し、おばさんがスター役をやっているからオバスターという案配だと職員一同直感しました。アネスター、アニスター、オジスターと多くのスターが登場した瞬間でした。 職員がプログラムの流れを把握するにはスター役を経験することが一番です。誰でもスター役ができるようになることが望ましい姿であろう。

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夢のみずうみ村物語 その17 プログラム援助の合い言葉

プログラム援助の合い言葉 (ときめき・はばたき) プログラムを実施する場合に、スタッフがどれだけ手をお貸しすればいいか話題になります。全面的に手を貸してさし上げてもいいですが、それでは上げ膳・据え膳で「できる能力」を奪いかねません。中には、職員の手を借りたいなあと思われてる方のお気持ちを察してさっと手を差しのばすことができるためには、手をお貸しする必要がある方をしっかり承知しておく必要があります。 重いものを持つだけの力がない方、片手しか上手に使えず、どうしても代わりの手が必要な方など、それぞれの身体等の状態によって様々な援助をさっとさしのべることが職員に要求されます。 職員の手(援助)を必要とされる方、援助を期待し心ときめかせて待っておられるだろうと想像できる方、こうした方々を職員の合い言葉として「ときめき」ありと呼ぶことにしました。「ときめき」を感じ取った職員が素早く必要な援助をしてさし上げたいと考えます。そういうかたは「そのことをどうしてもやってみたい」という心の働き(ときめき)が見てとれるのです。 こうした「ときめき」がはっきりしない方も無論いらっしゃいます。そういう方には、「人生もっと楽しむぞ」って、羽ばたいて頂きたいのです。そういう気持ちを込めて職員の合い言葉は「はばたき」ということにしました。

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夢のみずうみ村物語 その16 一日の日課を自分で選択する

新しい試み始まる 夢のみずうみ村山口を増築した段階から、プログラム選択の方法を改良しました。 あの、大きな盤は消え、送迎車ごとの小さなホワイトボードに変更し、おおむね5・6人がひとつのボードで選択するというやり方に変更しました。とりあえずの方法としてやってみていろいろ変更しようという夢のみずうみ村得意(?)の方法でスタートしたものを紹介しておきましょう。もっと良い方法が見つかったらすぐに変更になっております。絶対に変更にならない点は利用者の方にご自分でプログラムを選んでいただくことです。この点ではいささかの揺るぎもありません。 一日の日課を自分で選択します (すてき・げんき・のんき) 通常、自分が一日どう過ごすかは自分の意思で決めているとおもいます。夢のみずうみ村では、毎朝通所された直後に一日のプログラムをお決めになります。そして、その決められたプログラムを実際にご自分で実施されていきます。その際、プログラムを選択するときにスタッフの援助の手が必要であったり、移動する際やプログラムの準備などにどうしても職員の手助けを必要とされる方があります。 誰もが、自分の生活を自分で切り開き、人生を楽しむようになることを支援するのが村の使命です。そのために、目標を意識する必要があります。あの高い山に登ろうというような感じです。 夢のみずうみ村ではご自分で一日の予定を立てることが必要です。ご自分で予定を立ててどんどん忙しそうにプログラムをこなしていらっしゃる方は素敵ですね。こうした方は「すてき段階」にある方と呼ばせていただきます。 ほかにも、少し指示や援助の手があれば、ご自分でプログラムを選択でき、若干の指導援助があれば実際のプログラムを実行できる方がいらっしゃいます。このかたも、はつらつとしてプログラムをこなされます。「元気段階」にある方としました。 プログラムを実行する際にも、お身体が不自由な分、少しの継続的指導や援助が必要な方もいらっしゃいます。少々家族や職員の手を煩わせても、いつまでも元気でいたいとご自身で意識され、行動しようとなさる方は、まさにこの「元気段階」なのです。 こうしたお元気な方とは別に、「いつお迎えがきてもいいから、今更何もしたくないですね」という思いで、焦らず、動かず、特に何もせず、誰かの指示や援助があって始めて行動なさる方を「のんき段階」とさせて頂きました。 すばらしい心境に到達された方々だと思います。しかしです。夢のみずうみ村は、生き甲斐を持って頂くことを使命として開設した場所です。どういう段階の方にも、お元気になって頂き、「すてきな人生ですね」述懐して頂ける生活を保障したいのです。

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夢のみずうみ村物語 その15 夢のみずうみ村のプログラムは多彩です(3)

プログラムの実際 ボードには左端にその日の利用者のお名前、その隣から時間帯になっており、9時から16時までメニューカードを個々に貼り付けていくことになります。 メニュー板は3つあります。(写真参照) それぞれ 写真の中の文字を読み取って頂ければ幸いです。 メニュー板のカード一枚の大きさ(横の長さ)が時間を表しています。一番小さいのが20分、次が30分、さらに、60分、90分といった長さのものがあります。 このプログラム板はレストランで今日の定食メニューが書きだしてあるような感覚です。 プログラムを張り出すという作業自体がリハビリになっているのです。どういう内容か書き出してみますと、 ① 数あるメニューからお好きなものを考え選び出す ② 3つあるボード(写真)のメニューカードから探します (なれてこられた方は、一見してどこにそれがあるかがおわかりです) ③ メニューカードをつまんで頂きます ④ メニューカードを、ご自分の氏名欄(縦並び)を探してそこに張り出します。 ⑤ 時間帯(横並び)にあわせてご自分の考えた時間帯に貼り付けます ということになります。 こういうことがご自分でできるか否か、そこに利用者の方お一人お一人の能力に応じて職員は3つのグループに分けて対応させて頂いております。

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