おーっつ! 夢のみずうみ村がここにある

20年前に創設した夢のみずうみ村の当時の職員に語った資料がCDを整理したら出てきた。CDを起こして、順次「夢のみずうみ村誕生秘話」としてブログにのせております。古い1996年物は、夢のみずうみ村運動を起こそうとして、当時勤めていた山口コメディカル学院作業療法学科長時代のボランティア活動の中で育まれた「夢のみずうみ村」芽生えの原稿です。探せば、もっと出てくるかもしれませんが、それは「ワープロ時代」(知らない若者も多いことでしょう)の「フロッピー」に保存されている原稿です。

そこまで戻らなくても、2000年に入ったCDがいくつか出てきて、それらの中から、順次、公開をさせて頂いております。防府デイサービスの徳本君が、その任に当たってくれています。私が文面に使ったスライド(写真)が、そのまま貼り付けようとすると、空白になってしまうのです。それを逐一修正し、手間暇をかけ、ボランティアでこの作業をこなしてくれています。感謝です。ありがとう、徳本君。

これらの原稿を「夢のみずうみ村原典」と命名します。

夢のみずうみ村の思想、介護保険のリハビリ前置主義と開設時厚労省が叫ばれていた思想そのものだと改めて読み直して実感します。

その具体的手法、介護の理念、リハビリの介護保険での適用手法、通所事業の在り様を、事細かく、具体的に書き述べていると実感します。自画自賛すれば世話はないと揶揄されても一向にかまわないと思います。自分に驚いているからに他なりません。よくぞ、あんなことを書いていたなあ、と思うのです。20年過ぎても、その根本のHow To,理念は全く変わっていないことの証がこの原典に掛かれていると思うのです。読み直しながら、修正しようとしましたが、手がはいらずじまいでおります。

先日、北海道札幌のオイラーク社が運営しておられる「夢のみずうみ村てんやわんや」と、新潟にある「夢のみずうみ村新潟」、山形県米沢にある「夢のみずうみ村スマイル」に伺う機会を得ました。

施設に入った瞬間、「おーっつ! 夢のみずうみ村がここにある」と叫びました。

一緒にいた先方のスタッフたちも、「なぜ藤原がそんなことを叫ぶのだ?」と不思議に思われたかもしれません。本家では夢のみずうみ村が変化しております(夢のみずうみ村の本家という言い方は、失礼かもしれません。仲間のFCの施設と区分して表現する際に「本家」と呼ばせていただいております)。

私は、ただうれしかった。これらの施設では、まったくと言っていいくらいに開設した当時と「環境の仕掛け」が変貌していないのです。ときどき、本家に行くと、環境の仕掛けが全く変わっていたりして脚が立ちすくみます。変化することを批評しているものではありません。本家では、藤原体制から、新しい宮本・片山体制に変わり、介護保険の厳しい展開に対応すべく、苦心し葛藤してくれています。それはそれで、肯定すべきだと理解したうえで、あえてこうして書いております。

そういった背景にある現状下で、それぞれ3施設に一歩足を踏み入れた途端、十数年も、変わらず、そこに、夢のみずうみ村があり、利用者さんがコロナ禍であるにも関わらず、しっかりご利用されており、スマイルでは「3人もの自立卒業を生み出しました」と報告あり。新潟夢のみずうみ村は、大規模夢のみずうみ村として、最後の設計建築開設でありながら、全く古くなく、さん然と各コーナーが存在感を打っててくれていました。見事というしかないのです。オイラークは、むしろ、脱夢のみずうみ村という発想で挑戦的な大規模デイを展開されています。

そもそも、環境の仕掛けの中味は、

「雑多である」

「居間台所感覚であり、応接間感覚ではない」

「One Step One Goods」

がそこに、明確に存在しているのです。

通所施設は、日帰り施設だからです。利用者さんの生活主体はご自宅にある。ご自宅の環境の中で、生活動作の修復回復を図ってその日一日終わって帰っていかれる施設が通所施設です。自宅に添った環境でなくてはならないというのは絶対原理原則。たまに、気分転換で、別の環境において生活動作の習得をしたいのなら、たまに行う遠足みたいに環境変化体験をすればいい。外出訓練、特別メニューなど工夫すればいろいろできる。デイサービスは、家庭環境を模したものでなければならない、その信念は揺らいではならない。

私が常時そばについて見守って差し上げたわけではないのに、むしろ、全く、無責任にもほったらかしではないかとご批判を受けても反論できないのに、そこに、しっかり、夢のみずうみ村が存在していたのです。現場のスタッフ、管理者・経営陣の志しがそこに見て取れる。ただ、ただ、感謝と感動しかないのです。

夢のみずうみ村は、とっくに、藤原個人の手から離れ、社会に存在し根付いていることを実感させられた事実があった。そのことを記しておきたかった。

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