月別アーカイブ: 8月 2021

夢のみずうみ村物語 その7 従来の通所サービスと夢のみずうみ村の発想比較(1)

従来の通所サービスと夢のみずうみ村の発想比較(1) 従来のデイサービスの特徴を挙げてみました。 サービスをご利用される方が手の届かないところを援助させて頂く施設であることはいずれの施設も変わりはないのですが、お世話をさせて頂く施設という職員の意識は、手の届くところ(それはご自分でできる能力がある部分)まで手をさしのべてしまい、できる能力を徐々に奪っていってしまうという恐ろしい行為であるという実感が双方にないのです。 お世話をして頂ける施設では、何もしないでも一日衣食住が保障されるという生活は一見良さそうに思えますが、実は真綿で首を絞めるように徐々にできる能力を奪っているという恐ろしいことだと夢のみずうみ村では考えています。ですから、利用者ができることはご自分で行って頂くという大原則を掲げているわけです。 図にある、お世話をさせて頂く施設ということをわかりやすく表現すると、上げ膳据え膳方式ということになります。 上げ膳バイキング方式・セルフサービスとどちらがいいでしょうか。 上げ膳据え膳がいいに決まっています。本当にそうでしょうか? リハビリテーションの視点から申せば、できる能力を維持鍛えるということになります。ならば、バイキング方式、セルフサービス方式で、できない部分のみをお手伝いさせて頂くというのが望ましいと考えております。 集団一斉方式は、決してまずい方法ではありません。 特に痴呆傾向をお持ちの方や意識レベルが低い方にはかえって、マンネリ化したいつものやり方で導入されて集団プログラムで活動性を高めていくというやり方があります。重要なのは、そうした個々の利用者の方の能力レベルをきちんと判断し、その上で個別的な集団メニューを実施できるかということです。 十把一絡げ(じゅっぱひとからげ)のメニューを行うところに問題があるのです。夢のみずうみ村には、そうしたプログラム運営の機微に敏感な方々がお見えになります。ですから、どうしてもプログラムは個人個人で選択して一日の過ごし方を決めて頂かなくてはいけないわけです。 個々での典型メニュー例についてご存じない方のために紹介しておきましょう。 「北国の春」(遠藤実作曲 歌 千昌夫)の演歌にあわせ手足を伸ばしたりする全身体操です。日本コロンビアからテープが出た時は、我先に買い求め、「山口県痴呆処遇研究会」で紹介、指導したものでした。 ご存じ風船バレーもスポーツ競技としてとして楽しむレベルから、施設内でレクレーションとして楽しむレベルまで幅広くあります。全日本ふうせんバレーボール大会決勝を北九州で見たとき唖然といたしました。あるサリドマイドの青年が繰り出されるサーブやスパイクを、相手チームの指導員でスポーツ万能とおぼしき青年二人が開店レシーブをして必死に取ろうとしても拾えないのです。そういう風船バレーもあるのです。あの同じ風船です。いかに活用するかが課題です。 デイサービスメニューで全国共通メニューとして掲示した意味は、どこに行っても画一的というのは、どこかおかしいぞという警鐘の意味があるのです。夢のみずうみ村にお越しの利用者の方々はこうした画一したメニューを避けたいという明確な意思をお持ちの方々だと思います。 その8につづく

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村物語 その6 「バリアーあり」~(から)フリー という環境

「バリアーあり」~(から)フリー という環境 夢のみずうみ村には様々な建築面でのバリアーを意図的に設置しています。 実際に挙げてみますと トイレのタイル段差   浴室水切り段差 建物間の段差      床に這うコード 床にコンセント口    団地サイズ玄関 上がり框玄関      狭い通路(家具間)   などです。 家庭で遭遇するバリアはまず克服できないかを考えます。何とか、バリア(障壁)を克服するに超したことはないのですが、そのために相当のエネルギーを使うようだと実用的ではありません。 施設や病院ではバリアフリーが基本です。障害をお持ちの方でも自由に行動できる環境を作るのは当然のことです。 夢のみずうみ村で提唱している「バリア有りー環境」とは、 障害者の方が、いかにバリアを「克服するかの挑戦」をされるための場を提供しようという発想です。 ご自宅はバリア有りーの環境なのに、施設病院ではバリアフリーとしますと、当然、施設病院では可能となった能力も、自宅に帰るとさっぱりできないという方が大勢いらっしゃいます。そこで考えましたのが、せめて、施設や病院のリハビリ室だけはバリアをしっかり設定した環境ではいかがでしょうかという提案です。 そこで、バリア克服対策を練習したりするわけです。その結果どうしても無理であれば、バリアフリーを考えるというのは自明の理です。 夢のみずうみ村では、あちこちにバリア有りーを作っています。村で生活できる方はどこの劣悪な環境に入っても、何とか生活できるというものでありたいとは思っていますが、それほどまでに厳しいバリアーはさすがに設ける必要性がないようです。 バリア克服能力が高まるほど住宅改修の必要性は低くなります。また、自宅から外部に出歩いたり、旅行に出るなどの可能性が広がります。 なお、誤解されると困りますので申し添えておきますと、バリアフリーにすべきところをしないという意味では絶対にないのです。 当初、「村はバリア有りー施設です」と、先程述べた発想をいろいろなところで紹介しておりました。すると、車いすで全国歩き回っている友人夫妻から、「バリアー有りー施設というと、車いす来ないでよ」という感じがするといわれて愕然としました。 それで今は、「バリア有りーからフリー施設」という言い方をしております。 その7へ続く

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村物語 その5 雑然とした環境こそ家庭環境

雑然とした環境こそ家庭環境 家庭環境は、広々とした施設や病院環境と比べて、狭くて家具や物がいっぱい配置されています。生活感がする家庭ほど雑多な空間になっています。 夢のみずうみ村ではそういう雑多な空間を作りたかったのです。なるべく、家と同じ環境で、生活の仕方を再学習して頂くリハビリテーション施設でなければならないからこそ、雑多なのです。所狭しとテーブルや家具やピアノが置いてあるのです。その間をぬうように 利用者の方々は移動なさるのです。それをちゃっかり、「リビング2周」というメニューにしてしまうのがプログラムとしての仕掛けであるわけです。 家庭環境に近づけるための工夫 ① テーブル・椅子を同一のもにしない ② 電気・照明は長い蛍光灯が2~3本並んで付いている事務用のものには絶対にしない同一の物を使わない。家庭の各部屋が照明が違うようになるべく異なる照明器具を設置する ③ 茶箪笥を広い床面の随所に配備してコーナーとして仕切り、居室のイメージとする 等でした。 写真2(その4の写真)の中央にありますのは、電話ボックスです。これも、それからテーブルも、中古品の店から買ってきました。常に掘り出し物がないか職員一同が注視して、出物があると軽トラで買い付けに行きました。施設作りに参画するという意識が無意識のうちにこういう動きの中から生まれてきたのだなあと今思うのであります。 その6へ続く

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村物語 その4 元気になる環境をつくる

元気になる環境をつくる 元気の素は、職員のエネルギーがあるかないかにつきます。どういう職員が働いているか否かです。職員集団が醸し出す雰囲気が実は最大のリハビリの素であります。 もう一つの元気の素は建物の構造や、プログラム展開の仕掛け、プログラムそのものに潜んでいます。ではまず建物の作りをご覧ください。 施設でなく家という環境にしなくてはいけない理由は、リハビリテーションをする環境だからと答えています。日本家屋の象徴は、手の届くところに柱や鴨居があることです。ならば、合掌造りにしようということになりました。(本音は、お金がなかったので安上がりは合掌造りという背景もありました) 合掌造りには、白壁、漆喰(しっくい)というのが通例ですが、そういう和風パターンの住居になると、精神的に落ち着いてしまって元気が出る仕掛けにはなりません。そこで仕掛けとして登場するのが壁紙の青空です。雨が降っていても、冬でも夏でも一年中青空の中で元気になるという空間に仕上げてあります。

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村物語 その3 夢のみずうみ村の基本理念

夢のみずうみ村の基本理念 通所サービスの特徴をまとめると 図1の通りである。 病院に入院しておられる方や施設入所しておられる方に、リハビリの方法(生活の仕方、楽しみ方)を伝授させて頂いても、それをすぐにご自宅で実施してみていただくことは不可能です。何週間か後、あるいは何ヶ月か後の退院(退所)を想定して、それぞれの場所でシミュレーションでリハビリ訓練をします。 しかし、通所サービスでは、その日の内にご自宅にお帰りになるのですから、学習された内容を直ちにお宅で実施してみて頂くことを奨励することができます。そこが通所サービスを宅老所とするか、リハビリテーションの実習の場とするかの重要な視点の相違です。視点の相違というより、そこに気付かないまま、デイケアやデイサービスが長年行われてきたとはいえないでしょうか。 そこで夢のみずうみ村では、図2にお示しする様な理念を掲げました。 その4へ続く

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村物語 その2 利用者さんか 利用者様か

利用者さんか 利用者様か 昨今 病院では、患者様と呼び「さん」づけしない傾向があります。 「患者さん」と「患者さま」では何が違うのでしょうか。サービス業に徹するという意識を植え付けるには、「様」で呼ぶ法がいいのでしょうか。 「○○様 薬」と、紋切り型で喋ることは難しいです。「○○さん 薬」と呼べば案外通用しそうですよね。そこが、「様」で呼ぶようにしようという考えの根底にあります。 要するに丁寧語で喋ることが必要なサービス業の鉄則であるにもかかわらず、医療・保健・福祉の現場では言葉遣いの悪い輩が多すぎたのです。色々な接遇訓練とか、しゃべり方教室とかありましたが改善されない実態があるのです。そういう情けない実態を改善する妙案は「○○様」呼ばわりすることです。それが言葉遣いや態度を改善することに大いに役立っているのです。 夢のみずうみ村では「利用者様」と呼ばず「利用者さん」で呼ぶことに決めました。 お世話させて頂く施設ではないからです。生活する能力を磨く道場の様な場所感覚です。職員はそのお手伝い役、支援役、仲間、家族の一員に近い意識を持った隣人という感覚でありたいと考えました。ですから、「さん」づけなのです。 氏名を「さん」づけしなくても、我が村の職員はしっかり丁寧語でお話ができます。それができない施設は「さん」づけしないと大変なのだと感じています。 サービス業に徹するという思想が医療・保健・福祉の世界に徹底され始めることは実に結構なことだと思います。 この物語でも、以下、利用者さんという呼称で書いて参ります。いえ、書き進む内に「さん」がとれて、単に「利用者」と書いてしまう場合もあるかもしれません。客観的に記述すべき部分ではこうしたことが起きることを予めお断りしておこうと思います。 その3に続く

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村物語 その1 みんなちがってみんないい

本日より、夢のみずうみ村物語として、公開していきます。読みやすい分量で更新していきます。宜しくお願いします 夢のみずうみ村 みんなちがってみんないい 障害には目に見えるものと見えないものがあります。 見えない障害は第三者にわかりにくいです。 目に見える障害を持って障害有りというには半分手落ちです。目に見えない障害があって苦しんでいる方も多いのです。人間である限り悩みにないものはありません。 「あなたに障害がありますか?」 と問われたら、人間はみな「はい」と答えるべきかもしれません。 いや、障害を大きい概念にしてしまうと、実際生活場面で苦労している障害者の方にはむしろ迷惑かもしれませんね。 大切なことは障害を持っているかいないかということではなく、いかに元気でいきいきと暮らしているかということです。 脳卒中後遺症で左麻痺の私の友人は、麻痺を持っていない私より、動きは不自由しておられますが、私より遙かに元気で健康です。 それぞれ、人は皆個性があり、元気さ、健康度合い、不自由さ等、皆ちがいます。それが当たり前であり、それでいいのです。そういう違いを尊重し支え合うことが 「夢のみずうみ村憲章」です。 夢のみずうみ村憲章 夢のみずうみ村の村民を全国から募集しました。そのときの募集チラシを出す際に、どういう理念でこの村を作るのかをお示ししなければと考え、この憲章を作りました。 これは我が村の基本精神です。 「夢のみずうみ村」村民憲章 生きていることはすばらしい 一人一人みんなちがうからいい 人の心の温かさにつつまれる中でこそ、 人は真に生きることができる ちがいを尊重し見守ってくれる、 そんな仲間がいることがすばらしい みんなちがってみんないい 「ゆめ」はそこに生まれる 一つ一つの「ゆめ」を、 みんなで育て、わかちあおう 生きていることがすばらしい みんなちがってみんないい みんなちがってみんないいは 詩人 金子みすず の「私と小鳥と鈴と」の一節です。以下に紹介しましょう。 私と小鳥と鈴と  金子みすゞ 私が両手をひろげても お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のように、地面を速く走れない。 私がからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のように たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。 我が村の送迎バスにはでかでかと「夢」の文字が貼り付けてあり、市内では、 … 続きを読む

カテゴリー: その他 |

人生の現役宣言 32クール

2021年8月23日 どれだけ残りの人生で社会に、とりわけ、夢のみずうみ村に、私個人の力がお役に立てるのだろう。千葉真一(俳優)が82歳で亡くなられた。笑福亭仁鶴(落語家)84歳。誰もが、消えていくのが人の宿命である。私には、残りどれだけあるのだろうかと、細くなりかけている、「生きる糸」を手繰りながら考える。私は、今年73歳。80歳になるまでを、当面「人生現役宣言」をしたい。そうすると、大雑把に、どのくらいの日数が私が動けるのだろうか。 何か一つことを考え、企画し、具体的に完成までもっていくまでに3か月かかると想定しよう。1クール3か月の思考努力遂行期間。今日は8月23日。80歳までは、8年と1か月程度。丸97か月。そうすると、32クールが、私に与えられたチャンスである。あっという間の人生だった。あっという間に、一年が過ぎ去る70歳以降の時間間感覚。32クールで、私の終活としたい。人生の現役として、32クールに分け活躍し続けたい。いざ! 夢のみずうみ村の第一線を退いた。退くことを許してもらったという感じである。

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村平安郷(沖縄)の最後コマーシャル

うるま市平安座島、海中道路先にある、夢のみずうみ村平安郷が、今月で、夢のみずうみのフランチャイズを卒業することになりました。私は、ながいこと、ラジオ沖縄の番組{ゴーインにマイウエイ」という番組のコメンテーターをやってきました。以前は、「琉球リハビリテーション学院の藤原です」から、「夢のみずうみ村平安郷の藤原です」に代わって、もう2年以上やっていました。私の選んだ歌謡曲6曲、それの関するコメントを60分自由に語る番組です。私の道楽でした。コマーシャルが番組中に4回入ります。「家の中でじっとしていたらダメですよ! デイサービスにいらっしゃい! 夢のみずうみ村平安郷! 待っていまーす!」という、現場から施設長Ksさんと、スタッフ3人、それに私とでしゃべっている素敵なコマーシャルでした。それが、来月から聞けなくなるでさみしいですと、利用者さんのお一人から声がかかったとのこと。でも、終わるんです。私自身は、この番組が大好きなので、新しいスポンサーを見つけて継続することにしています。沖縄の方、こうごきたいですよ!

カテゴリー: その他 |

夢のみずうみ村誕生物語 まえがき

前書き 夢のみずうみ村代表の肩書を下ろすことができました。2021年6月26日 株主総会での決定です。それから、1か月半過ぎ、いろいろな思い出が湧き上がってきました。同時に、私自身の人生の終活をしていくべきだという使命感が生まれ、体調が徐々についていかなくなってきたこととも重なり、これを、毎日、少しずつ、日記風に書いていくことにしました。日記を、ホームページのブログに乗せる是非を議論することなく、掲載を続けることはいかがなものかとお言うお叱りもあることを覚悟し、自称物書きが、これ以外に方法がないので、公開する。公開できる日記として、生きる印、生きている証とします。こうしたきっかけは、一昨日、NHKプレミアムドラマ、「ライオンのおやつ」が大きく影響しています。小川糸原作で全8回放送され他ドラマでした。ホスピスのお話でした。 「人間が生きているのは、ろうそくです。ろうそくは、自分から火をつけることも。消すこともできません。命を前部使いきって終えることができます。人はろうそくです。」 このセリフが全てです。私は、自分のろうそくの燃えている今、我が人生の後半53歳からの今までをここに残そうと思ったのです。 「ブログ見てますよ」と、心ならずも夢のみずうみ村を去っていたHさん(旧姓Mさん)から電話あり一言でした。まさか、と思っていた人物との涙涙の会話。それから、10日あまり後のS子さんからの電話。ともに、ブログで、私が、一線を退いたことに伴う、なにがしかの感情が、時を超え、種々のわだかまりを捨てさせ,なつかしさの中に追い込まれたヒトの営みだったと感じました。 それを、契機に。いや、体調の徐々の変化も引き金か、弱気な自分をして、夢のみずうみ村の話をしっかり残すのが、始めたものの責任だよ!という肩を押す声なき声に押され、これをかき出します。 原則、毎日書く。多かったり少なかったり、誤植があっても、そのまま、書き進む、という実に身勝手なやり口で、この、公的な「夢のみずうみ村ホームページ」の一角に残すことと決めさせていただきます。 かき出して、これはまずいという判断を関係者、責任者、職員。場合によってはご家族の利用者さんのご家族から、「割愛すべき! 掲載中止!」、の声が上がるまで、継続されていくはずです。いや、「藤原茂ろうそく」が消えるまでは、続けることを決意し、この前書きとします

カテゴリー: その他 |