夢のみずうみ村物語 その2 利用者さんか 利用者様か

利用者さんか 利用者様か

昨今 病院では、患者様と呼び「さん」づけしない傾向があります。

「患者さん」と「患者さま」では何が違うのでしょうか。サービス業に徹するという意識を植え付けるには、「様」で呼ぶ法がいいのでしょうか。

「○○様 薬」と、紋切り型で喋ることは難しいです。「○○さん 薬」と呼べば案外通用しそうですよね。そこが、「様」で呼ぶようにしようという考えの根底にあります。

要するに丁寧語で喋ることが必要なサービス業の鉄則であるにもかかわらず、医療・保健・福祉の現場では言葉遣いの悪い輩が多すぎたのです。色々な接遇訓練とか、しゃべり方教室とかありましたが改善されない実態があるのです。そういう情けない実態を改善する妙案は「○○様」呼ばわりすることです。それが言葉遣いや態度を改善することに大いに役立っているのです。

夢のみずうみ村では「利用者様」と呼ばず「利用者さん」で呼ぶことに決めました。

お世話させて頂く施設ではないからです。生活する能力を磨く道場の様な場所感覚です。職員はそのお手伝い役、支援役、仲間、家族の一員に近い意識を持った隣人という感覚でありたいと考えました。ですから、「さん」づけなのです。

氏名を「さん」づけしなくても、我が村の職員はしっかり丁寧語でお話ができます。それができない施設は「さん」づけしないと大変なのだと感じています。

サービス業に徹するという思想が医療・保健・福祉の世界に徹底され始めることは実に結構なことだと思います。

この物語でも、以下、利用者さんという呼称で書いて参ります。いえ、書き進む内に「さん」がとれて、単に「利用者」と書いてしまう場合もあるかもしれません。客観的に記述すべき部分ではこうしたことが起きることを予めお断りしておこうと思います。

その3に続く

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