夢のみずうみ村物語 その32 夢のみずうみ誕生秘話⑤

買った土地の大勘違い

「大変なことです」

副理事長で一級建築士である村上茂行さんが私に至急電話をかけてこられた第一声です。

「夢の湖が買った土地はあそこではない」 というのです。

あそことは、今回新しく購入した(一部借地)部分(B地帯といいましょう)です。

おかしなことに、最初、不動産屋から彼が聞き知った土地はB地帯でした。当初購入した土地をA地帯としましょう。それはB地帯とつながった高台の土地です。

私とラ・ベルヴィの野村さんは、村上さんから電話で聞いたB地帯都合3回下見しました。平らで見晴らしもよく、個々は絶好の施設環境と喜び合っておりました。

ところが突然の村上さんからの電話です。

「土地がですねえ 違うのです」という村上さんの言葉に、詐欺にあったと直感しました。すでに内金を支払っていましたから真っ青になりました。

土地を前後取り違えたのであるということがわかるまでには少し時間がかかりました。

受話器を下ろして、着の身着のまま、現地に飛んでいきました。村上さんが確認されたA地帯の端に立ち、

「このまっすぐ上からですね。尾根を伝って、あのミラーのあるところです」という風に村上さんは語られたのですが、私はじっと聞いている余裕がなく、すぐさま背広を着たまま山の斜面を駆け上りました。てっぺん間で上がり、尾根を伝って、敷地の際といわれた獣道のある場所間で行き、一気に隣との境界を直線的に下っていました。降りると同時にまた再確認すべく反対から敷地の境界を確認しておりました。藪の中、山の中を背広姿で無我夢中で走っておりました。ですからその背広はぼろぼろで捨てました。そのくらいショックでした。

あの平らで景色のいい場所ではないというショックです。境界を確認した直後の感想は「案外広いではないか」ということでした。素人はこれだからいけません。広いというのは山の斜面として広いのですが、造成して平らな部分がどれだけ取れるかとなると話は大いに食い違ってみます。

結果を振り返って見ますと、この勘違い騒動はラッキーな話だったと考えております。

いま、本丸のベランダに出て山口市内を見下ろす景観は絶景です。心癒される風景です。

もし、最初にB地点を購入していたら、その背後の傾斜のある山の部分を造成してまで村を活用しようという意識が生まれてくるかなあと考えてみます。A地点の傾斜を造成して本丸,二の丸、ラ・ベルヴィの家を作ったからこそ、今日の更なる増築が生まれたのだと感じています。何か大きな力に導かれてこの村は動いているという最たる話題でした。

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